ケーススタディ

銘柄選択のケーススタディ2| DeNAから安川電機の乗り換えで75万円の利益

株式投資では、保有している株の値動きを見るだけでなく、将来的に保有したい株の調査・分析をしていくことも大事です。この2つを同時進行することにより、保有株から新しい株にスムーズに乗り換えることができ、資金を無駄に寝かせることのない運用が実現できます。数多くの事例を挙げることができますが、2016年12月の日本株成功ナビ(500万円コース)の事例をあげましょう。

DeNA(2432)から安川電機(6506)に乗り換えたケースを見てみましょう。

2016年12月にDeNAを売り推奨した背景

DeNAは東証一部上場の企業で、傘下にプロ野球チーム(横浜DeNAベイスターズ)を持つことでもよく知られています。中核となる事業のひとつはスマートフォン向けのゲームで、ゲーム好きの個人投資家からも一定の人気を集めています。

DeNAを買い推奨したのは2回。2016年7月20日の2691円で100株、2016年9月26日は、推奨株価が3665円で100株でした。

当時のスマホゲーム界は任天堂の「ポケモンGO」が大ブームで、2015年から資本提携しているDeNAとの協業に期待が集まっていました。実際、2社の協業タイトルとして新たなゲーム(ファイアーエムブレムヒーローズやスーパーマリオラン)が発表されています。

しかし一方で、DeNAが手がけるキュレーションサイトで問題が浮上。健康・医療情報サイトのWELQなど9つが閉鎖となり、残っていたMERYも2016年12月7日に閉鎖を決定しました。

当社は、この問題を深刻だと捉え、2016年12月にDeNAの売り推奨を提示。DeNAにとってMERYなどのキュレーションサイトは重要な事業であったため、業績に悪影響を及ぼすリスクがあると判断しました。売り推奨したのは2016年12月8日。株価は2971円でした。

安川電機に乗り換えた理由

この時に例えば500万円コースではエニグモやDeNA、リニカルなどの銘柄から住友商事や太平洋セメント、安川電機など他の主力株の一角に銘柄を入れ替えていきました。

中でも中核になった入れ替えがDeNAから安川電機でした。

その当時、相場全体は外人主導、主力株主導の相場に変わり、新興市場株やゲーム株など個人好みの銘柄は全般的に元気がなく、需給も悪くなる恐れが出てきたため、銘柄を入れ替える推奨を行いました。

安川電機はロボットやモーターを使って、自動車工場や半導体工場などの自動化に貢献する企業。

同日、DeNAなどを売却した資金を使い、安川電機や住友商事などを買い推奨しました。安川電機の買い推奨株価は1799円、株数は200株。DeNA売却の資金などで、安川電機200株などの買いをアドバイスしました。

安川電機は産業用ロボットを手がける会社で、累積台数で世界一の規模を誇る東証一部の企業です。
安川電機は、欧州でインダストリー4.0がスタートした頃から注目してきた企業のひとつ。工場の自動化が進み、半導体工場などでの需要が伸びていくなかで、同社のロボットが使われるケースも増えていくだろうと考えていました。

その後も、安川電機は2017年1月12日にも買い推奨し、2017年1月20日には改めて2017年の大化け候補銘柄の第2彈銘柄として、安川電機(6506)を取り上げています。この時点でも1799円と比べると上昇していましたが、2000円以下でした。

安川電機の株価はその後順調に伸び、乗り換えから1年後の2017年12月時点で5000円に達しました。

乗り換え後の展開

乗り換えを実行した場合としなかった場合の結果を比べてみると、まずDeNAの株価は2415円(2017年12月15日時点)で、売り推奨した株価からさらに500円(200株保有で約10万円)ほど下落しています。売らないで保有を続けていたら、損が拡大してしまっています。

一方、安川電機は前述の通り5000円に上昇し、2倍を優に越えています。200株保有で時価100万円の資産となっています。
差額にすると、乗り換えを実行したことによって約75万円の利益が得られています。DeNAの売り推奨をした時点では200株で5万円程度の損失が発生しましたが、1年後の両者の株価を見れば、その判断が正解だったとわかるでしょう。

こういう一つひとつの判断が、今の500万円コースの成果を支えています。例えば同日に買い推奨した住友商事は、2017年5月に東京ベースに入れ替え、さらに成果を出しているのです。売買サポートにはたくさんのサポートが詰まっているのです。

長く使えば使うほど、サポートは増え、線でつながっていくのです。

乗り換え成功のポイント

このケースでは、持ち株の売り判断と新しい株の買い判断を同日に行いました。つまり、悪材料がどの程度の影響を及ぼすか見極めるだけでなく、良い材料が出る可能性がある株を次の候補として選出できていたことが成功のポイントになったということです。

ゲームやサイトなど、消費者に近い業界の株は個人投資家にとって買いやすいのですが、他にも将来有望な株がたくさん存在しています。いろいろな株にも目を向けながら、市場動向を見ながら、銘柄を入れ替えて売買していくことがとても大切です。

本連載は、自著『資金30万円を巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法』(幻冬舎)から一部を抜粋したものです。本コラムは実際の投資の成功を保証するものではありません。本コラムを用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本コラムの内容に関して運用した結果については、ライジングブル投資顧問株式会社はいかなる責任も負いかねます。なお、本コラムに記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時(2017年12月)のものであり、変更されていることがあります。
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プロフィール

藤村

ライジングブル投資顧問株式会社

代表取締役社長 藤村 哲也

【経歴】

1965年生まれ。横浜市立大学経営学科卒業。1990年太平洋証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)入社、証券営業を経て1996年より投資情報部で証券アナリストとして勤務。合併により2000年よりUFJつばさ証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)に勤務し、最終役職はUFJつばさ証券部長代理。独立後、2003年6月にライジングブル投資顧問株式会社を設立。中国株、日本株情報サイトを運営し、会員向けに株による財産形成を総合的にサポートしている。Yahoo! ファイナンス 投資の達人、All About株式ガイド。

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