投資のノウハウ

「レパートリー」を徐々に増やすと、銘柄探しがスムーズになる

株式投資を続けていくと、大きな利益を得られた銘柄、逆によいと思って買ったのに思うように上がらなかった銘柄、まだ期待があったけれど乗り換えのために泣く泣く売却した銘柄など、「付き合い」のある銘柄が増えていきます。そうした銘柄の情報は、今後銘柄探しや実際に投資をしていく上で、役に立つ財産になります。

値動きのクセを知っているという強み

数千ある日本株の中から、そのときどきで最も買うべき銘柄は何かを探していくことが本サイトでご紹介する投資法の基本です。しかし、毎回ゼロから銘柄を探していくのはなかなか手間がかかります。そんなときに強い味方になってくれるのが、過去に取引した、あるいは取引を検討した銘柄たちです。

もちろん、過去は過去、現在は現在です。たとえば、2012~13年に株価が大幅に上昇したガンホー・オンライン・エンターテイメントと、2015年のガンホーは、同じ企業といっても状況はまったく違います。2012年は「パズドラ」の大ヒットの勢いで株価が急上昇しましたが、2015年の秋~冬は「パズドラ」を収益の柱としながらも、「ディバインゲート」などのゲームに注力中です。パズドラは国内外で3900万ダウンロードに達していますが、2012年のときのように株価を強力に押し上げる材料にはなっていません。

しかし、基本的な情報をすでに知っていれば、今後再びガンホーに何か材料が出てきたときに、企業の概要などについてゼロから調べなくて済む分、買うか買わないかをよりスピーディに判断できます。実際、ネクソンやコロプラ、アルプス電気など、同じ銘柄を複数回取引するというのはよくあることです。

また、銘柄にはそれぞれある程度値動きの「クセ」というものがあります。値動きのクセは、過去のチャートからも見えてきますが、実際に何度か取引をしていれば、より実感を持って知ることができます。値動きのクセがわかっていると、売買のタイミングを検討する際の参考になります。

さらに、ガンホーそのものでなくても、同じような業態、つまりガンホーであればスマホ向けゲームを扱う銘柄で大ヒットしそうなゲームが出てきたときにも、「ガンホーではパズドラが大ヒットしたとき、ああいう値動きになったから今回はこうかな?」と、ガンホーと別の銘柄を比較して参考にすることもできます。

すべての銘柄の情報を覚えておこうとすると大変ですから、うまく儲けられた銘柄や自分にとってやりやすかった銘柄で構いません。少しずつ「自分のレパートリー」と言える銘柄を増やして、銘柄探しをスムーズにしていきましょう。

本連載は、自著『資金30万円を巨額資産に大化けさせる 銘柄「乗り換え」株式投資法』(幻冬舎)から一部を抜粋したものです。本コラムは実際の投資の成功を保証するものではありません。本コラムを用いた運用は必ずご自身の責任と判断によって行ってください。本コラムの内容に関して運用した結果については、ライジングブル投資顧問株式会社はいかなる責任も負いかねます。なお、本コラムに記載されているデータや法令等は、いずれも執筆当時(201年2月)のものであり、変更されていることがあります。
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プロフィール

藤村

ライジングブル投資顧問株式会社

代表取締役社長 藤村 哲也

【経歴】

1965年生まれ。横浜市立大学経営学科卒業。1990年太平洋証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)入社、証券営業を経て1996年より投資情報部で証券アナリストとして勤務。合併により2000年よりUFJつばさ証券(現・三菱UFJモルガンスタンレー証券)に勤務し、最終役職はUFJつばさ証券部長代理。独立後、2003年6月にライジングブル投資顧問株式会社を設立。中国株、日本株情報サイトを運営し、会員向けに株による財産形成を総合的にサポートしている。Yahoo! ファイナンス 投資の達人、All About株式ガイド。

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